openingはご挨拶を兼ねての荒城の月

男性陣による渋〜い選曲!っと思ったアナタ様

コントラバスの弓で弦を叩く(事自体、斬新よね)音色に目が醒め、歌舞伎で鳴る拍子木を想像すれば
楯さんの「よぉ〜〜〜っ」のVoiceにひっくり返ったはず。
とどまらずに続く、エレキベースもソロを奏でる。ちょっと妖艶

コントラバスとエレキベース、Wベース自体、まず有り得ないし、その上なになにこの厳かなバトル。
W主役が実現です。やがて 伴奏楽器が奏でるメロディは太く暖かな広がりで足元からすっぽり包んでくれる。
心穏やか〜と安堵してればトンデモナク、効果音も加わっていく「いよぉっ!


この壮大な曲は、大きなホールで聴いてみたいとも思いました。
最初からやるぅ(死語?笑)
岡沢さん退出され順氏、マイク独占コーナーじゃない、コントラバス主役です。
ホワイトクリスマス

ケーキ

…あっこの曲でピアノの音色に気付きました(笑)
続くは春夜会

CDで聴き始めた頃は季節の夜明けが訪れる優しい調べが先行していましたが、久々ライブで聴きますと、どこかしら哀切を感じ、流れていく月日に育まれたナイーブな感情の蓄積に気付きます。さむ〜〜い冬だから、より春を待ち焦がれる、そんな切なさも歌っているのですね。
そしてベースで弾きますかぁ?普通?さらに岡沢さんも加わってのチャルダッシュ

最初の揃った出だしからエスプレッソ一気飲みな濃い衝撃。いきなりずどんと響きが深い。
メロディのウッドベースが気持ちよさ気に謳い泳ぐ。楯さんのperがちょっと煽るけれど、いやいや低音楽器はわれ関せず(笑)
高速弾きではエレキベースががっちり支え、ピアノの調べは朗らかに盛り上げ、さぁラストへ向かって一直線。
Wベースという組み合わせを面白く&ど迫力を維持しつつ見事に突っ走っていきました。
さいこう(スミマセン)順さんでした。
熱気冷めやらなぬ中、まずは美しさで魅了する、 松原さんが天使の歌声と絶賛なされた歌姫sayaさんご登場。
これまで男性ばかり(何気に殺風景

お客様が被られているサンタの帽子

sayaさんコーナーの一曲目は塩入さんのようなカナダの音楽家=David Fosterが書いたという美しい曲、自分以外の幸せを願う大人の女性を描く歌でもある クリスマスリスト

メロディラインは語るように穏やか。でもsayaさんの声には力強さがあり、心をこめる真剣なメッセージが聴きとれます。また英語の歌詞ゆえにロマンティックさも。恋人気分に浸り二人の世界で聴くのも素敵なXmasを演出してくださると、そんな側面も思いました。展開部での歌声の張りと伸びやかなヴィヴラートが綺麗。付随する演奏はピアノのタッチ、鮮やかな粒立ちが映え、音の光彩を与えてドラマティックさも醸し出していました。
はい。低音から音の重心がニュートラルに戻りました。
歌の世界は日本へ。曲名をsayaさんが言われましたら「ほぉお〜」と驚きとも思う声が上がりました。松原さんも歌われるりんご追分

なかなかすごい選曲。 sayaさんversionは塩入さんが現代風に大胆にアレンジを加えた、アップル


歌の節回しも功みに捉え、ぽんぽんと跳ねるフレッシュな声と伸びやかなヴォヴラートの対比が結構面白い。
楯さんの合いの手(voice)に、ジャジーなピアノ。この曲をオッと思わせるような楽しい仕掛けが次々登場し、アグレッシブさを底辺から弾ませるのは岡沢さんのエレキベース。
いつのまにか皆さん拍手と笑顔になっていました。
カッコ良くラストが決まれば、おぉおお〜〜〜の声(コブシは回らない・笑)と拍手



sayaさんコーナーのしめくくりは松原さんも大好きだと(2部のときに)お話くださった 約束

音域のひろーい曲を丁寧に心を込めて歌い上げる歌姫がそこにおられました。
私的にはsayaさんの中音域のふくよかな広がりが一番好きです。
一部のしめくくりは塩入俊哉さんコーナー。
リクエストにお応えして、カーティスクリークバンドのアルバムに収録された 摩天楼のkiss

もうクリスマスにもってこいの曲ですね。リラックマさんありがとうございます。
私、この曲はクリストファークロスの曲と声が浮かんでいたのです。
ライブで聴きましたら、順さんのつま弾くベースもジャジー、楯さんのマラカスもアメリカンなのですが、 音色の旨味がシャネルのフレグランスのように香ってくる感覚が先行。
ディオールのアディクトの香りかな。爽やかでもエレガント。各々の響きがリズムのノリのしなやかさ、音色に対する阿吽の呼吸がやっぱりスゴいですし、だからこその洒脱でオシャレにブレンドされたアクアレルフレグランスが香り、聴きました。うふふっワタクシも女性かも。
一部ラストは、昨年のメダリストオンアイスで弾かれた曲、天と地のレクイエム

羽生選手が塩入さんのお名前も言ってくださったことも嬉しかったですね。
もうこの曲ばかりは是非生演奏を聴きにいらしてください。
休憩タイムは、アクアレルレコード大商店街福引き大会。
日用雑貨から食料品、お宝ものまで大盤振る舞いのコーナーでした

さぁ2部は巨匠岡沢 茂さんのコーナー。


面影を追っている幻想、独りぼっちでしんみり眺める先には雨降りの小窓が。みたいな心許なさ。
岡沢さんのしなやかな指先から零れる哀愁のメロディの上を楯さんの乾いた口笛が飄々と抜けていく。
子供と大人の感情が入り乱れ、その空間を自由に行き来するような、不思議なファンタジックな空気が満ちていきました。中間部的エピソードの決然とした表現も対照性が流れていき物語的。よりベースの音色は奥行きを作っていました。いや〜〜沁みます。
っと感傷に浸っていても岡沢さんはさっと退出されてしまった(笑)
今夜最高齢のゲスト、奇跡のヴォーカリスト金城広子さんご登場です。 すっと和むのですよね。空気が。
お初のお客様が多いと思われ、塩入さんが金城さんのご紹介をなされ「新宿のともしびという歌声喫茶でずっと歌って…」の声に、 「あぁ〜〜」と頷かれる方多し。
金城さんの「ほっほっほっ」の笑い声に「可愛い〜〜」はい、キュート

既に金城広子の世界は出来上がっておりました。
さぁシャンソンのスタンダード曲、 群衆

物語を語り歌うシャンソン、歯切れのよい歌い回しに80歳という年齢はすっかり飛びました。
タンゴのリズムがお好きなのと巻き舌がお得意な金城さん(実演に大ウケ)アルゼンチンタンゴからジーラジーラ

声に張りが漲り、シャンソン、タンゴと小粋に踊り出す演奏のリズムがぴったり寄り添い活き活きと舞曲の感覚を私達の身体に送り込んでくる。
金城さんの個性的な自己主張をきっちり届けてくださいました。
ふと。タンゴを聴いていましたら、演奏で何度も聴いたエルチョクロが懐かしく聴きたいなぁとも。
ラストはテネシーワルツ

今迄とは打って浮遊的で柔らかな雰囲気をうまく釀し出し柔らかな声。そして低音からぐぐっと語りあげる声に人生の年輪を辿っていく深みが、しみじみ内面から語り歌う。そこからエネルギッシュに外面へと盛り上げていく声の表情の変化に心がじわっと滲む感動が寄せました。
さぁ楯さんのインプロビゼーションのコーナーです。
それぞれが持ち寄った小さな音色(キラキラからでんでん太鼓まであり)を楯さんが音色を3通りに分けて、即興音楽とともに鳴らし世界を作っていきました。
イマジネーションの玉手箱を持つ楯さんが魔法のステッキ(両手ね)を振り上げると蓋は開いて、
その空間に無数の小さな音の星が散りばめられていく、天の川が見え、瞬いていく調べに自然に同調している自分がいる。静謐な空間は無限ですが一体感が生まれる。すっと入って行かれるんです、そこが不思議。
そんなお客様参加型ライブ、いつかご一緒しませんか。
お待たせしました。お客様お待ちかねの○○健之さんご登場。


歌の旅びと

高音の煌めく声、低音の甘い響き。その声の情緒の振り幅がスゴい。それを明らかに伝え、活かしていく演奏もこのメンバーならでは。安心して歌われている松原さん、MCも和やか。ヘアメークさんはみんなカッコイイ〜〜。他、饒舌な松原さんが嬉しいです。
一本の鉛筆

ワタクシ初めて聴かせていただきました。心を打たれました。 反戦のうた、シャンソンです。
センチティブに聞こえるピアノ一つの伴奏にはシンプルでも一音一音綺麗に響かせ甘美さに流されない意思的な強さを前面に感じ、 松原さんの声の表情には、歌詞が繰り返す同じフレーズ(あなたに&一本の…等)の描き分け。続く言葉の穏健さや劇情との対照をくっきり浮かび上がらせ、情緒の振り幅をすっと換えていくすごさがある。
そこには私達の心の振り幅もおおきく揺さぶる感動と大きな説得力を生んでいました。
MCでは来年、2月10日お祭りにて紙風船を揚げるというお話から、14枚目のシングル曲。
みちのくふゆほたる

演歌です。ワタクシの感想はこのひとこと。2017.12.31.紅白のステージで歌っていただきたいです!
松原健之さんのラストは見上げてごらん夜の星を

歌詞の一文字一文字を慈しみ歌う悠々とした声がとても自然体のようでもあり、聴くものの想像力をふと掻立てる瞬間が訪れる、そこに感情の流れやひんやりとした静謐な夜の空間が生まれる。
一筋の光の如く届く声に多くの方が勇気と力を与えてもらったことでしょう。
そしてこれからも歌って欲しいと願わずにはいられませんでした。
どのジャンルも自身のものとし、ジャンル毎のリズミックな旋律を滑らか清らな表情で歌い、ここぞという思いは明朗で強靱な声の張りで惹きつける。
MCでお客さまに「今年も沢山の会場へきてくださってありがとうございます」の言葉がステキと思いました。
ラストの フィナーレ


鮮やかなテクニックとホットな感情をキープしつつ出演者そしてお客様と音と感情のバランスを保ち続けるニクい演奏。 みなさん涼しいお顏で演奏なされていますが(笑)何気にスゴイこと。
そして
あの方が、あの声が、あの音が、あのフレーズがここにある、みたいな嬉しい発見がぞくぞく続いていく喜び。
しかも鳴り物でお客様の参加も可。

…音楽監督がこっそり?いえ確信的に仕掛けられた音楽の旨味と愉しさがつぎつぎに繋がれていく。
さすがエンターティメントを知り尽くした音楽の仕掛人の腕がなっているライブでした。
これからも益々強い結びつきを見せてくれることでしょう。
総てに大きな大きな拍手を送ったここでしかない&かけがえのないライブの時間。
皆様色々な音楽シーンで研鑽をつまれ、また融合するステージを待ちます。
だからその時まで大切に生きていきたい。
本当にありがとうございました。
takako.
あっ(*_*)ギタリストがいなかったという事も書き残したく。
存在を要しない程立方体

2016.12.27.