僕のhpの管理をしてくださるtakako.さんのコンサートレビューです。
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八ヶ岳高原音楽堂、ガラス窓の向こうに富士山が拝める


青空も冬色より春に近い暖かな色あい(ワタクシの体感、MCでは寒い〜っとお話なされてまして。私と友人は暖かいよね…と)最高の一日でした。
アイボリーのスーツに黒いシャツの古川さんを先頭にユニットのご登場。
拍手と歓声が沸き、同時に一瞬うっとりのため息がもれていたのを聴き逃さないわたくし。
ピアノの旋律。
は、ドラマティックな展開を予想させる響きながらもどこか穏やか。
その先はチェロがセンチティブな調べながら旋律を太く明瞭な響きで縁取り、藤澤さんの歌声へと伝播してゆく。
シューベルトの「セレナーデ」をモチーフにした楽曲

ロマンな陰影を流す伴奏にポップな甘く語る歌い方で先ずはわたくしたちのハートを鷲掴み

貴公子はこうでなくちゃ(笑)
そしてサビの部分ではベルカントが来た〜〜アドレナリン急上昇

ベルカントの部分では演奏のDuoは声の伸びを押すように俊敏なリズムへ変わり快活に盛り上げる。
ドラマティックな展開に
…最初から飛ばすぅ〜〜〜

ほ〜〜っと感嘆のため息をつけば藤澤さんのMC。
か、可愛ゆい声

そして早速古川サンをいじる「チェロ界のざきやま〈会場大爆笑〉さん」とご紹介するお茶目さ。
コンサートタイトルは塩入さんが命名と。
アバンギャルドなカンジと古川サン。おまけに御衣装がマフィア系(大爆笑)と自虐も。
古川サンが前衛姿勢でMCに突っ込んでいくのが楽しい。
MCも飛ばすぅ〜〜

オリジナル曲

ラヴ・バラードです。柔らかで素直なメロディに音の色彩を重ねていくピアノとチェロ。ベルカントの端正な声にはこの寒い大地を大きく包み込む優しい春の光が訪れるよう、さらに藤澤さんのお姿がより大きく精悍な男性像へ。うっとり眺めておりました。
チェロのほんのりバッハ色な即興を思うソロに、何の曲でしょうと聴いていましたら、ピアノがメロディを誘導、そして大好きな静かな鐘の音のような密やかな&透き通るシンプルな和音のイントロは

英語でしょうか。ポエジックに漂うような歌い口がナイーヴな心情を静に立ち上がらせていく。
そしてサビでは歌い上げる激情が先行していたけれど次第に己へ深く沈着していく変化が切ない程に美しい。
あ〜〜幸せいっぱい

ですのに藤澤さんは一旦退出。
さて古川さん&塩入さんのSuper Duoコーナー。出会って15年を迎えられたと。
ざきやま発言飛び出し、会場は和やかに(ワタクシざきやまさんは存じず…おほほ

まずはピアソラの

チェロのソロから始まり、ソロの部分が長くなったと聴きました。古川さんのしなやかな指先から和音も交ぜ自在に上下する音色の波にも強弱があり、アンニュイな心と小雪が舞う窓を眺めるような心許なさ。その中にも抑えがたい闇が顔を出す。踵をかえしての本編へ。ピアノがさっと寄せるDuoの呼吸。鮮やかな展開に目が醒め、そして中間部での解放。さらに激情していってもどこかしら余裕を聞き取る。この感覚が以前聴いていた高揚とは違う。鮮やかなテクニックとテンションを高度にしかも両者同等にキープしていく、技と情のバランスの素晴らしさを感じ取った曲でもありました。更にはこの曲の情緒の振り幅の大きさをも大いに感じ取れる演奏の素晴らしさでした。

塩入さん曰く、メドレー的なロングアレンジVer.です。
サウンドトラック盤では幅広い空間をゆったり奏でるラルゴな曲が、ラルゲッタ(今回はイタリア語に拘ろう・笑)に移ろっていくイメージを持ちました。
このラルゴよりも速く(の意味でよいのかしらん)は牧歌的な音楽風景を、柔らかに繋げながらキビキビな動きが加わり、爽やかな風のような滑らかさと、密やかな愛らしさ(動植物の息遣い)が生き生きと呼吸している自然風景をも思いました。チェロの細やかなパッセージと軽妙なピアノの絡みも自然界の営みを見ているよう、めくるめくリズムの展開に小躍りしたくなる(おほほっ

古川さんは目を閉じられじっと聴き入る塩入さんのピアノソロ


流れゆく音形のグラデーションからスケートリンク空間へ拡散していく音の細やかな粒子が、羽生選手をまとい、演技する流線型と滑らかに融合していく綺麗さを見、強弱よりその音達の躍動感が心をも躍らせました。さらさらと難なく涼しいお顔で弾かれている(すんません

貴公子再登場。拍手&ハートのおめめで迎えます。
昨夜入られたお話、移動中、雪煙で視界が遮られたと。はいホワイトアウトですね。なかなかびっくりします。
このユニットは三つの声と思っていただければと古川サンのお話。
ポップオペラのご説明や古川サンが「クラシックのメロディにはいいのがたくさんあるんですよ。
良いところに目をつけたなぁ〜〜

藤澤さんがオリジナルのメロディを加えることを絶賛なされた&やりとりも超楽しい〜〜。
塩入さんは藤澤さんの声が好きであるとお話されました。

天からふわりと舞い降りるようなご降臨の世界観。慈愛のような優しさと荘厳さがポップとオペラで醸し出されそこに演奏の響きの融け具合は憂いの極地です。それでいてポップでは寄り添い、オペラでは天から降り注ぐ声に遠近感があり幻想的。
前回ラストに歌われた曲が第一部のクロージングナンバー。

皆が知っている曲は笑みが零れます。温かな声の臨場感を今更ながらに会場いっぱいに感じ取れたのでした。サビでは渾身の声で歌い上げるその迫力、ラストのベルカントなんて卒倒しかけた(ワタクシがね)
終了と同時にきゃぁ〜うわぁ〜〜〜ともうぉ〜とも唸る、歓喜の声が上がりました。
ただただ、ド圧巻



外が暗くなってきていると今頃時間と景色に気付いた頃、ステージの照明が際立ち
2ndが幕を開けます。

藤澤さん作曲のオリジナルは塩入さんとのDuo。ポップスジャンルでのラヴ・バラード。
歌詞のひとつひとつに淡い心に染められた雨粒が零れてくる。そこから音域の広さを自在に羽ばたいていく広がりと真摯な表情に、声だけで泣きそうになる。いえ、歌詞ももちろんですが、その声だけで良いんです。
そんな方滅多にはおりませぬ。古川サンが申された三つの声を憶いました。
MCで「ピアノと声が良いですね〜」とお二人盛り上がるなか、古川サン再登場(笑)
ありがとうの気持ちを込めてつくられた曲。

ラフマニノフの「交響曲第二番第三楽章」がモチーフ。新鮮!ご説明が無ければ、気付かないほどポップな曲調。出だしのチェロのボーイングのさりげない響きの遠近にクラッときて、藤澤さんのスィーティ〜な語り歌に酔い、チェロが縦に切り込む音、ピアノも優美に添ったり、軽快に跳ねてみたり、立体感を生む演奏の妙もたっぷり味わえました。
藤澤さん退出なされてDuoの演奏。寡黙なクラシックな古川サンに戻られて。

塩入さんより曲の背景のご説明がありました。
チェロの深い音色は響きそのものの良さを再認識させ、ソリッドにぞくっと刻む劇的な様相を描きながら、内面から溢れ出す心情を歌心にのせる人の声を聴くようでした。また塩入さんのピアノのレンジをフルに弾きこなす激流は、いつ見ても超絶技です。ご本人はいたって冷静に弾かれておられますが(そう見える)リストならば大きくアピールするに違いありません。
もとい。

とてもロマンティックなメロディのなかに儚く切ない悲しみの濃淡をも聴こえたDuoの演奏でした。
ふと、この雪の中を飛びかっている小鳥達の姿が思い浮かびました。なにを囁きあっているのかしらね。
さぁ藤澤さん再登場。曲名とともに驚きとも受け取れる声が上がった

前回藤澤さんは で歌いたい!と申されました。
有言実行です。すごいこと。
藤澤さんはそっと胸に手を当て深呼吸をなされる。期待が高まる。
ピアノソロがチェロのメロディへ。これまた新鮮。
まるで人生の風景を振り返り思いを馳せていく静かな序盤から、解放を求めるだけではない、ベルカントの哀切な声は、歌詞のそこかしこにある悲哀を訴え続け、凄みすら感じさせる熱唱でした。
主人公の激しい憤り、悲痛な呟き、どこを切り取っても有無を言わせない感動を残し、演奏者の琴線をも刺激したのでしょうか。チェロのパッセージの鮮やかさも熱さがひとしお。ピアノの流麗さも際立って。
穏やかなコーダでは躊躇いがちに足を止め心情を紡ぐ声に、私達の心にも足跡を残しながら。すっっと消えてゆく。
歌になって気付いたこと。サビの繰り返しが多いのに、声の緩みなんて絶対許さない力量を矢継ぎ早に歌い上げていく説得力の凄さ。
でも…くどくない。これも声の魅力。
でも…終わってもこの部分が(イタリア語はわからず

一息置いてのブラボーの歓声も忘れられない。驚きとも呆気にとられたとも、瞬間の気が残りました。
ユニットの握手にもじーんときました。

ブラームス交響曲第3番第3楽章がモチーフ。英語です。総て低音での朗々としたベルカントなのが渋い侘しさの曲調にジャストフィット!ユニットの声がそれぞれメロディを奏で、親密な対話のようにひとつひとつ重なっていく様がひたひたと高揚する一つの物語を築き上げていくよう。ユニットメンバーが熱く語りあうプライベートバー(笑)

え〜〜もう終わり===ショックを受けつつも明るく手拍子ご一緒に

躍動的で快活な曲はスポーティ〜〜

拍手も揃って大盛り〜ブラボーにて終了。
アンコールの拍手鳴り止まず、

今ここに添ってくれる音楽こそが心の拠り所であると。歌詞の語らいが艶やかな声の香気で会場に広げ、心の奥底に優しく触れてくる。
リセット。昨年のワタクシ。この曲はただただ沁みました。

パッと青空が開ける情景に音楽の充実感がひとつになって

型にはまらない最高のポップオペラは背中を押し、希望へと導いていく。
ここぞというときに豪快で情熱的なチェロが切り込んでくる、そしてがっつりすべてを支えるピアノも積極的に聞こえちゃう。
お二人にも笑顔がこぼれていました。
わたくし、一番幸せな瞬間でした。
ゴージャスな音の饗宴に笑顔満載でのフィナーレ。びしっときまるところなんぞはさすがこのユニゾンのモチベーションの高さと底力を表しているのだと鳥肌立ちました。
拍手喝采にて終了O(≧∇≦)O
はい前回同様、くどく書きます。ヴォーカル、チェロ、ピアノのみのアコースティックコンサートです。
レジェンド・オブ・クラシックスを聴かせていただいたのは二度目。
2015年のRevueを読み返し、前回藤澤さんが幾度も言われた”化学反応”
三つの要素が合わさることで生まれる別の物質に変化していく感動を改めて体感しつつ、
チェロ、ピアノ ヴォーカルの中でも原曲の溢れる音の中から、無駄な音はないはずなのに、
優れた元素を的確に抽出し、絡ませ、変化していく音楽反応はどこまでいっちゃうのでしょう。
さらなる増殖を期待せずにはいられません。
私たちも増殖せねば。
藤澤さんがクラシカルでのフォーマルさとラフなファション感覚でのポップスを、判り易く伝えてくださる。ポップスのラヴバラードからひしひし伝わる繊細さ。その表現の奥に歌を続けてこられた情熱と芯の強さが潜んでいることに気づいた瞬間、何気に心地よく響いていたバラードも他曲もより一層深く多面的な味わいを示すようになり当たり前のように聞こえていたベルカントへの展開もその滑らかな繋がりに驚かされる。両ジャンルのテクニックを高度にしかも同等にキープしていく、技と情のバランス。そう、三つの音は同様なのですね。
藤澤さんは「○○を歌います」と申されてから「○○を演奏します」と言い換える場面が。
演奏、「ユニットは三色の声」を意識させる嬉しい言葉でもありました。
スマートで美しい音の流動性にのり(ハンドマイクスタイルに体が動く錯覚をおこし、立ち姿がキマッているのと、ブルージーンズの両横にはラメの縦線が入っていて、つ、ついお足にも目が行ってしまったのでした・笑)粋なグルーヴ感を持たせて、音楽の美意識高く洗練された世界にめちゃめちゃ魅了されてしまった。
今回は一夜限りの共犯者。
共犯とは「ステージもお客様も一緒にこのコンサートを作り上げていく」…カンジに受け取った塩入さんのご説明。
ファン歴浅いワタクシには手が届かない〜〜
御三人が紡いでゆく音楽を共有できる余裕がまだ無い 感動いっぱい
ただただ聴かれることが幸せ。
追跡者です。わたくしは。
そして
共犯者たちの主犯は?
追跡しなくちゃ(笑)
帰路、山道には冬毛の鹿ご一家に二度遭遇しました。
そう、真冬なのでした。
景色をも忘れてしまうほどの
Concertであったことも記して。
本当に素晴らしい時間をありがとうございました。
2017.02.04.takako.
いやいやいやいや、『八ヶ岳レジェクラ』・・・堪能いたしました!
いわば“身内”でいらっしゃる『takako』さんをも卒倒してしまいそうになるほどの感動の渦に落としめした『レジェンドオブクラシックス』というユニットの凄さを改めて理解しましたよ。
それにしましても、『takako』さんの「感性、表現力、文章力etc.」は圧巻ですね。さすが!塩入さんのhpを管理していらっしゃるだけある方ですね。
どうもありがとうございました♪
もう、皆さんへの愛情が溢れています❗
今回、行きたくても行けなかった方も行った気になれますよね。
そして、更に嬉しいことに…この写真に後ろ姿が映ってて…私にはとても良い思い出になりました😍ありがとうございます❗
最前列とは随分距離がありましたが、向こう脛辺りに、ピアノの音色もチェロの音色も、ノリマサさんの歌声もジンジン響いて、身体中で音を楽しむ事が出来ました😊こんな経験は初めてでした❗
八ヶ岳音楽堂の計算されたライブ場の素晴らしさを、今回は特に実感出来ました✨
再演を切望する一人です💖塩入さんのサイン入りCDも大切に聞いています✨
今回はtakako.さんにご挨拶出来なかったので、次回は実現出来ますように〜❗
驚きと喜び中、一気にかつ丁寧に読ませていただきました。
行けなかった私も、takakoさんの文章を頭の中で映像に変換しながら、ため息の連続でした。
takakoさん、ありがとうございました!
塩入さん、これはもう、あまり間が空かないうちに再演していただくしかないですね!