2017年11月18日

古川展生×塩入俊哉コンサートレビュー

塩入俊哉hpを作ってくださるtakako.さんの
レビュー、夏の終わりのDuoコンサートです。

*・゜゚・*:.。..。.:*・゜*・゜゚・*:.。..。.:*・゜*・゜゚・*:.。..。.:*・゜*・゜゚・*:.。..。.:*・゜

快晴陽射しも紫外線も強力な残暑の日、9月2日afternoon。
駒ヶ根郷土館はモダンな洋風建築館。その二階が会場、
びっしり並べられたイスに満員のお客様がスタンバイ。
古川さんご登場塩入さんはエレピです
opening曲は
親愛なる言葉/カサド
エレピらしい、華やかでダイナミックな音色が響き渡り、待っておりましたとばかりに弾けるチェロは歌い口がこの青空を突き抜けて朗らかに揺らぎ、残暑が残る湿気を爽やかな風に入れ替えてくださいました。
塩入さんがリアレンジを加えられたスパニッシュな香りが漂う、現代的なアレンジは、フラメンコのリズムかも(室内というより、広場なイメージね)
中間部滑らか&超速弾きチェロのソロは圧巻です。色気満載(=ノックアウト
一気に惹きつけてその熱気を逸らさない、
ルーマニア民族舞曲(フォークダンス)/バルトーク
バルトークの特異的乱舞する6の舞踏曲。例の難曲が早速来ました!
古川さんが留学なされていたハンガリーを妄想しちゃう熱演。
代わる代わる様相を変えつつもルーマニア民族舞曲正確なリズム(土着感濃厚)は根底にあって、決して崩すことなくイロイロな音色をアグレッシヴな掛け合いでばっちり揃うDuo。
切り替わる瞬間、華麗な走句での指捌き、親密さは飛びぬけているんじゃないかしらね。
鮮やかさにこの残暑の蒸し蒸しは消えて胸がすっとしちゃう。
…どこへいっても涼しいお顔で弾ききるDuoがなんかニクイ

ん?Openingの2曲はこの駒ヶ根郷土館の西洋チック洋館にピッタリ。
三拍子たのリズムは、舞踏会?もしやこの洋館を見てから選曲したのではないかしらんと
思うほど

MCです”こんにちは〜(そうマチネのライブでした)お客様いっぱいで底が抜けるんじゃないかと(会場笑)”
昨年に引き続き2回目のライブであるとのこと。
塩入さんをご紹介なされて
プログラムは進みます。
白鳥
Duoのアルバムではお馴染みジャジーなアレンジの白鳥。
生演奏はマチネな時間がゆっくりと寛ぐひと時の始まりを告げているかのよう。
愛の喜び/リスト
原曲そのままの甘美で優雅な調べに酔いつつ極上の幸福から、二番はちょっと味付けが変わっていくアレンジの妙。上昇気流に乗せてハイテンションに。ても現実は…。
夢の世界へ戻ってきたい曲です。
目が醒めれば(笑)
愛の悲しみ/クライスラー
ブルーになるけれど、中間部は夢よ醒めないで〜〜な気分。白鳥も愛の喜びもエレピは優雅な流れを作っていましたが、この曲ではピョンピョン跳ねて陽気に盛り上げたり現実を知らせようと落したり(笑)抜け目がありません。
ラストのゴージャスな響きはシャウトそのもの。

小品集ですので、クラシックとは申せ3曲続けてもさほど長くない曲に、Duoと言う簡潔な構成が、ゆえに、シームレスに変遷していく場面は、三幕のストーリ―をみている心地よさが底辺に流れていました。共通性が生まれていく不思議。ショートストーリです。

MCで15年前塩入さんとピアソラをSTBで初めて演奏なされたと。その中から
ブエノスアイレスの夏
いきなり雷雨が襲ってきた〜窓をしめなくちゃなチェロの響きは攻撃的。熱演からの急緩で雨宿りしていても不穏な雲行きは払いきれず。そしてオリジナルっぽいチェロのソロが超高速で駆け抜けていくしエレピも捲し立てますし、二重窓にしなくては大変かも。カッコよくきまったところで
ブエノスアイレスの冬 へ突入。
季節も同時進行。ぞくぞくっと寒い空気が寄せてくる。ぴたりと止まり、そしてエレピの穏やかな響きに美しいヴィブラートで天と地を明け、厳しい冬の寒さを思い身が引き締まります。
この曲、ラストが明るいのよね、エレピが小鳥のさえずりを奏でているようでもあり、遠からず来る春を感じとっても嬉しくもなる曲でもあります。
ピアソラは色々なジャンルの曲を書いていてチェロの曲もあるとのお話、15分位の大曲という曲を(タイトルをワタクシ忘れまひた)
いつか古川さんのチェロで聴いてみたいです。
ピアソラはバンドネオン、ベース…(他いっぱいの楽器)を必要とするのですが塩入さんだから出来るというようなお話が素敵です。いえ、古川さんですからですよね(主役)ホントの気持ちです。
前半最後の曲はピアソラは父への鎮魂歌として残した曲
アディオス・ノニーノ
ロングバージョンのチェロのソロが秀逸でした!
低音から高音へするするするっと滑らかに上がる細やかなパッセージ、感情のうねりのままに切々と時にはむせび泣く。ピアソラらしく不穏さは常にありますが、美しい音色。起承転結を思うドラマティックなこの曲を、無伴奏で聴いてみたいなとも思いました。
28D4EB70-DB8D-4BC2-93A2-DF631E2B3CCD.jpg
暑さを思い出した休憩時間。
そしてやや日が陰ってきた頃お二人再登場。

ステージ後方の窓が開けられていた二階の会場、古川さんは、譜面が飛ぶといけないからと
窓をそっと閉められて、スタンバイ。
二部はアコーディオンがopeningを知らせます。まるで秋の風が吹いてきたような乾いた仄暗い翳りあるしとやかな響き
Ausencias
私この曲(も)好きなのです。生演奏はCD以上に掠れて、歪なリズム、不意に屹立する和音とアクセント、そこへチェロの翳りあるほんのりと艶っぽいメロディ。添いそうで添わないような音色の絡み方が絶妙。 ピアソラの癖がなさそうで癖のあるタンゴを、緻密に思索的にじっくり語る音が素敵。

MC、4枚目のアルバムを八ヶ岳音楽堂で制作なされたこと。先行発売中です!
ポル・ウナ・カベーサ
首の差で恋敵に破れた曲ですね。タンゴの軽快さ、舞曲の要素にジャジーな味も。万華鏡を見ている楽しさ、変化の面白さ。チェロとエレピの掛け合いもお喋りを聴いているようで愉しい。
ま、闘いには破れてしまうのですから。
ショックをひきずりながら
ひまわり
まさに原風景。ひまわりが咲き誇る晩秋。もの哀しい調べが暑い夏の終わりを告げています。
映画主題歌ながら、季節と重なると原風景が広がる感覚は初めてでした。俯瞰に聴かれた感覚が不思議。

ここからは塩入さんのオリジナルコーナー
面影
忘れていたのに何かのきっかけでふっと思い出してしまうひと(女性でしょうね・笑)意味深ですが。曲も意味深です。マイナーなんですから。これ以上は突っ込まないことにしてアルバムでそれぞれに想像したいと思います。鮮やかなパッセージは書くまでもなく必聴です。
ブラック・バカラ
黒紺のバラ。裏切りとか恐ろしい感情を秘めています。なるほど、近寄り難い美しさを聴き、同時に孤高の哀愁の襞を互いに弾き継いでゆけば、このホールに広がる渦を感じずにはいられない。巻きこんでしまう魅力にはきっと守られ続けている愛があるのでしょう。思わせる奥深さがあります。
約束
震災の後に塩入さんが創られた曲ですね。チェロバージョンです。一音一音慈しむような音色が心に沁みます。
そして
塩入さんリアレンジのおくりびと
おくりびと〜メドレーVer
耳馴染みのイントロが流れチェロの主旋律は温かなビロード仕立て。さぁどこからがメドレーなんでしょと聴き耳を立てていれば、緩やかなメロディそのままの流れがどこか違ってきて、ダンサブルに。目が回る。なんせボーイングの音色が切れ味抜群のメロディになっちゃうのです。
どのアレンジも斬新でも流れがスムーズに変化していて違和感なく一曲を聴かれる、これってさりげなくスゴイとおもうのです。
古武道のアルバムへ収録した曲(古川さんのオリジナル作品)
地平を航る風に
アルバムよりもDuoVer は、ゆったりと今まで過ごした年月を振り返る余裕を持たせて。
そしてさぁ、また頑張って行こう!!な、安心して進めるキャッチーなメロディ。健康的で屈託のない明朗な響きは堂々として元気が沸きます。親しみやすいメロディーは覚えやすくて鼻歌にも(スミマセン)
二部ラストはピアソラで締めます。
リベルタンゴ
チェロの攻撃的な(いえ、弾き方でなくてイメージね。もちろん超絶です)イントロは私達の心に火を放っていきます。エレピも一気に駆け抜ける爽快さも残してバッチリ止まる終着点。
わぁお〜の歓声とブラボーの嵐。

Encoreは
Until todey
ファーストアルバムの曲がチェロで聴かれる日を誰が想像できたでしょう。
それだけで私は胸がいっぱいになりました。
彼方の時空から今を繋ぐ人の心かけがえのなさや、曲が持っていた普遍のちから。様々な要素をしみじみと感じさせ感傷に浸りました。

ふんだんに織り込まれる技巧的な走句にしても、品位を保ちながらワイルドで敏捷な方向性で明確な対比を出すチェロ。ピアノも同等と思う。そうさせる絶妙の掛け合いを確実に音で綴っていくDuo。
何回聴いても感動は尽きない。
また、古川さんはセンターに立たれると、私達が求めている音の色気をすっとそして積極的に出してくださる。そこにふっと音色での会話ができる親近感(スミマセン・汗)をとても感じ幸せいっぱいな気持ちになります。間違い探しをするつもりは毛頭ございませぬが、パーフェクトの演奏と思います。
塩入さんの様々なアーティストをサポートなさるConcertを聴き続けてきて、主役の個性の中に溶け込みつつ、素晴らしい光彩を放つ演奏やアレンジを光らせるマジックで、欠かせない存在となっている今が本当に嬉しく、感謝いっぱいで素敵な洋館を後にしたワタクシでした。

明るい陽射しが降り注ぐ会場、大正期に建てられた西洋風洋館というスペシャルな環境をほぼ忘れ、楽曲に没頭していたわたくしであることに気づき。 気をそらさせない、惹きつけ続けるDuoの音楽はスゴイの一言に尽きます。 ありがとうございました。
5D68F64D-AFE2-43C3-B7E5-24593DA07756.jpg


 こちらがブログです
Information&Revue

ありがとうございました









posted by aqua at 08:47| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
リンク集