2018年11月15日

10/31quattuorライブレヴュー

10/31のライブのレヴューです。
僕のホームページを作ってくださっているtakakoさんによる
素敵なレビューをお楽しみください。

ステージにスタンバイなさったメンバーの構図から既にquattuorの風格を受け取れた。
想えば最近、ホールConcertを除いてはシンプルな編成がほとんどだったわたくし。
対して4人ががっつり組まれたライブ空間には
ぼやぼやしていると置いてけぼりを食らうよ〜なメッセージと
静から一気に躍動するであろう音色が想像できアドレナリンが噴出しました。

ご挨拶代りのopening曲はピアノソロがリベルタンゴ??
いえ違う、チェロが鋭く刻み込むブエノスアイレスの秋。
先週、Duoで聴いたばかりですがquattuorはよりダイナミックに広がりを見せる。
さらにこの会場の雰囲気も加わり、チェロの艶のある調べがなんとも色っぽい。
ピアソラの味、緩急の急変とシリアスな音楽に憂いの表情や奥深さを十全に聴かせ、
終結へ向かうメンバー総出の演奏は繊細な音色も痩せずに聴こえ、ボリュームがより立体的に大きく響き渡りのっけから圧巻の演奏にぐいっと惹きつけられました。

こんばんはのご挨拶&quattuor メンバー紹介
クラシックから一曲、ルーマニアフォークダンス
民族の魂を引き寄せる、笛の心憎いお誘いに導かれ
聴き馴染んだチェロとピアノのデュオ中・高音域に、ベースが添うと低音域をしっかり響かせるバランスはフォークダンス色を濃くする。そして曲想が変わり、まるで桃源郷のようなファンタジックな世界は踊りに陶酔した人々の禍に迷い込んだ感覚。終盤は明朗、颯爽としたリズム感、健やかに多彩な音色が鳴り響き渡る。
一曲の中にどれだけの描写があるのか底知れぬ魅力に、はぁあ〜〜スゴイ。
背後から、ワタクシと同様、感嘆の息が感じ取れました。
その気をすっと鎮める(っと書いていれば、この曲順には私達の感情の起伏を見透かしているかのような構成……反則!笑)
Annee solitude 
バラード曲。ピアソラにしては和み系。しかし今までの濃い流れにチェロの甘美で艶やかな音色は心が吸い寄せられ、滑らかに朗々と謳う調べと柔らかに刻むメロディは心地よさの極み。
ピアソラ独特のあくがない愛らしい表情には優しい懐の深さを感じ、親しげな趣と、新鮮な驚きを聴きました。

このユニットは様々なジャンルの音楽を演奏しているという。
和(邦楽)の世界も表現したい。とのお話から
古川さん&楯さんDuoによる
荒城の月
ぞくっなチェロのイントロに夜空に流れ星を描く笛の高音が綺麗に響き渡る。流星は魂のイメージが湧く。
低音から摺りあがるチェロの鮮やかなパッセージがメロディを立体化し、楯さんの奏でるシンプルでもいろいろな音色が絡み合い、チェロもまるでお互いが即興的に会話しているごとくな生々しさ、栄枯盛衰時代の息遣いに想いを馳せました。

古武道のアルバム収録曲(古川さんの作品)
命(みこと)〜旅立ちの時に
わぁお。楯さんディジュリドゥを吹かれている=倍音のシャワーが降り注ぐ。
この空間に連鎖反応をもたらし、消えていった命の灯火が輪廻のように再燃する錯覚。
柔らかなピアノが幽玄の境地へと誘い、笛とチェロが寄り添いながら明朗なメロディを優雅に堂々と進めてゆく。
命の強さをお供に。
美しい絹織物が舞い踊る情景、華麗でいて、芯のある慎ましやかさ、和の世界をいっぱい感じました。
細やかで小粋なテクニックがこの曲織物には施されていて、
拍手が鳴り止まず、
ベースマン齋藤順さんのMCに和み、
そこでベースが目立つ曲を(笑)
いにしえの彼方から
イントロの爪弾く和音が綺麗!和琴の音色っと感動。さらに今までと同じく雅な流れながらも、ハープ的和琴の音の残像にいにしえの彼方には西洋の憧れがあったような、どことなく教会的な響きを想像したり、チェロの高音の響きとの対比には奥ゆかしい日本の祈り的な色合いを濃く感じました。
ベースのしなやかさの中に凛と佇む男性的な強さも印象深い。
ラスト、楯さんの「よぉ〜〜〜っ!」の声は前半の邦楽からの離脱かしら。
鮮やかに締めてくださいました。

水のない河 
順さんのソロでのアルバムと、塩入さんのソロアルバムには古川さんのチェロで収録されている楽曲。
色々な会場やライブでも沢山聴かせていただきましたが、今宵はベースとチェロのユニゾンが実現!
デュエットあり、聴くほどに嬉しくて嬉しくて。
厚みのある豊かなウッドb、ボウイングの響きはエスプレッソ、心が澄み渡っていく芳醇な響きチェロがフレッシュなミルクを流し込んで、極上のカフェオレが仕上がり、香る。
スケールの大きい勇壮な激流に飲み込まれても私は、音楽的充実感でお腹いっぱいになりました。

一部ラストの曲は
フォーレのパヴァーヌ
どこかで聴いている曲ですね。塩入さんのアレンジにより斬新でグルーヴに乗っちゃえるカッコイイ曲へ変身。
中間部ではウッドベースのソロ、ピアノ、楯さんのヴォイス、個が即興演奏のように組まれて、多彩な表情が熱く絡む。「僕も」とチェロが加わって、これまたノリよくカデンツァな音色が鮮やかに決まっていくと、いよいよ熱を帯び、会場もひとつになった超ホットなプレイにとっても盛り上がりました。

みなさんコーフンをおつまみになだれこんだ休憩時間

そして
一部でのMCにて古川さんは和の世界を表現していきたいとお話なされて。
二部の始まりも雅な情景から始まりました。
桜の時に
冬、雪が地表から舞い上がる情景を春の桜に併せている楽曲です。
ほぉ〜んとその情景がもうすぐそこに控えていると身が引き締まります。
ピアノ&チェロのメロデイをそっとすくい上げるパーカッション。ベースがすっと入る音色に、現実のモノトーンの侘び色と、白い雪に色々な桜のカラーが移ろっていく憧れ。色彩豊かな情景を思い浮かべました。

映画おくりびとでのチェロを弾いているのは実は僕で。のお話に、
「わぁお!」と周りから驚きの声が上がった
おくりびと
松原さんファンの皆様にも伝わったことは嬉しいです。
牧歌的な調べを聴いていますと、映画でのワンシーン、川岸にて本木さんがチェロを弾かれている姿に重なります。チェロ、ピアノ、穏やかなバラードにうっとり身を委ねておりましたら、
塩入さんのアレンジマジックのタクトが振られ、背筋がシャンと伸びた。
アグレッシブ&ダンサブルな曲調へ変身。メロデイは変わらずともテクニックをより極め、伸び伸びと真っ直ぐに届くエネルギーが大らかな感性を生み出し、心にとても爽やかな気を連れて入ってきた。

文楽 古川&楯 Duo
日本の伝統芸能、人形浄瑠璃をチェロで演奏するという超超絶技曲。
お初はソロにて駒ヶ根で聴かせていただいてぶっとびましたが。ここでも聴かれるとは。
タイトルコールで早くも武者震い(すみません私がです・笑)
ピチカートは三味線、ボウイングは浄瑠璃語り部。
拍子木の始まりから堰を切る激しいピチカートは太い三味線。す、すごい。
「よぉ〜〜っ!」の掛け声に人形浄瑠璃の舞台を想像。
爪弾きとボーイングが瞬時に鮮やかに変わるので三味線、義太夫と、一人何役こなされているのか。
太い音から、高音の掠れた荒々しくぞぞっととくる音色の隅々に神秘や精神が宿っていき、
神妙な響きを湛え、翳りを帯びる人間のさだめ(運命)を巧みに操る人形使い。
浄瑠璃の劇イメージを表すヴォイスや笛の音色までもが底知れぬ魔性に域へ落とし込めていくよう、怖さが増す〜〜〜!!
チェロに人形の霊がのり移った?まるで生きているように呼吸や息遣いが生々しく伝わりました。か、怪演です。
「すごいっ〜〜」の感嘆と同時に拍手が沸き上がりました。
伝統芸能はとっつきにくい印象。実際観たことは(Eテレでは観ますが)なく、感動する気持ちは演奏あってですが、邦楽には日本人に潜在する血が騒ぎ出す要素がある??そうさせるのかもとも気づくのです。

はい、白眉の作品であったと思います。
抜粋でなく全編で聴いてみたいとも願います。

どっぷりと濃い音楽に埋もれたところへ、スペシャルゲスト松原健之氏ご登場。
キラキラのご衣装、にこやかな表情に見入る私は早速松原さんの世界(笑)。
MCもさすが、笑いを誘い、まあるく和やかムードへ進めてくださる。
金沢のコンサートには古川さんがご出演とのお話もあり拍手です。
しかし曲は濃い。
窓のない列車
アウシュビッツを描いた売野さん作詞塩入さん作曲の楽曲です。情景と心情がめまぐるしく交錯する悲哀のこの曲を、さすが松原さんはご自分の楽曲になさっている。張りのある声が鋭利な強さを表し、ぐっと低音で語る歌声には説得力と慟哭が滲み、主人公の激情が迫る。
チェロの間奏でのソロが哀愁をそっと置いてゆく悲哀。とっても内容の濃い作品を是非歌い繋いで欲しいと願わずにはいられない。
歌の旅びと
チェロのイントロが演歌の妖艶さを盛り上げて、松原さんのクリスタルヴォイスをさらに引き立てます。いつもサポートなされている安定した演奏にはライブハウスという会場での響きをコントロールする資質も備えてらしたと思いました。
愛の賛歌
演歌歌手の方ですが、ジャンルを超えて名曲を歌ってくださることに感謝です。
伸びやかな歌声と絢爛な音の輝きが連なるこの曲では、「愛」に至るまでのいろいろな傷や些細な誤解、それらすべてを覆ってしまうくらいのエネルギー感を持った賛歌として堂々と決まっていました。
どこまでも広がるヴィヴラートの伸び、甘やかな歌いくち、女性の心を離しません。
さすが上手いっ!!!
ブラボーの嵐!
ここで松原さんは退出なされquattuor によるピアソラの楽曲
Fuga Y Misterio 
タンゴ界の異端児ピアソラはクラシック、ジャズ、様々なジャンルを融合させた。
quattuorもいろいろなジャンルのスペシャリストが集結した異端児アンサンブル。
強いフーガのビートの連続に緊張の糸をぐいっと張り、それぞれが巧みに絡んでいくスリルが堪らない。
強固な構築性を背景に個々が鋭く磨かれたシェイプな音色で連なっていく演奏は圧巻としか言いようがない。
センチメンタルな中間部は妖艶。鮮やかに疾走し、すごい完成度に身震い。
きっちり決めて。
二部のラストは
地平を航る風に
爽やかでポップなメロディに生き生きと目覚め、自立していく生命そのものを謳歌しているような充実感が幸せ。
音楽の全てが躍動に息づいて瑞々しい感性が私の心に吹き込んでくる実感、繰り広げられていく流れの源に喜びが溢れてて、深い愛情をも聴きました。
わっくわくしちゃう曲ですね。

笑顔いっぱいをおつまみにアンコール

再び演歌の貴公子松原健之さんご登場
別れの曲
歌詞バージョンの別れの曲を初めて聴かせていただきました。ネオクラシック演歌でしょうか。
どのフレーズもどの音形にも細やかに研ぎ澄まされた神経が行き届く歌声。
歌詞の一句一句を愛おしむ声に、心を込めるという言葉は不要。言わずとも伝わる表現なのです。
元はピアノ名曲ですので歌声の飛沫がどこまでも抜けていくラストに至るまで、ピアニズムは豪華絢爛に冴えに冴え渡って耳を心を離しませんでした。

クロージングナンバーはピアソラのリベルタンゴ
ベースのイントロがクリア。引き締まった音色がアクセルを踏む前の気持ちを静める。
そして
妬けちゃうほどに呼吸が合う巧みなプレイ。しかも小気味よいテンポをもって。
各々優れたテクニックで伸び伸びと華麗にアプローチしていく流れは止めようがございません。
ダンサブルにウキウキ。なんか安心しきって聴いているわたくしがいました。
本日何度目のブラボーでしょうか!(^^)!
ほんと濃密濃厚な一夜でした。


そういえば以前STBにてこのようなスタイルのConcertを聴いていた。
エネルギッシュで丁々発止な掛け合いさえも感じていた当時。個性の競演。
しかし
奏者それぞれ誘発よりもquattuorは各々のテクニックを持った四つの音楽性の調和が先に成り立って。
それぞれが優れたプレーヤーゆえ、独自性をもっているのに、生まれる融和な世界は聴き手の耳をグッと引き込むような色気ある魅力に満ちている。

ネオクラシック&邦楽界の異端児たち。
音楽に魂がぐいっと入る瞬間を何度も体感。
何より音楽が鮮やかにダイレクトに伝わって来る。

私が聴きたい音楽をみぃいーーーつけたっ!。

ありがとうございました。
takako.11.07.
181031

posted by aqua at 14:21| Comment(3) | コンサートレヴュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
塩入さん、こんばんは。
『takako』さんのレビューを堪能させていただきました。
ご自身が感動されながらも繊細に分析されてまとめられた言葉や文章から、4人の方々それぞれへの愛、ユニットで創られる音楽への愛が伝わってきました。
『takako』さんも凄い方ですね♪
凄い方は、凄い方を引きよせる、やっぱり!
Posted by 巻き舌 at 2018年11月16日 17:37
9月末JZ Brat で頂いたフライヤーを手元にライヴレビューを読ませて頂きました。
赤と黒を基調にしたシックなデザイン・・
JZ Brat 〜あのステージで繰り広げられた
quattuor の演奏をtakako. さんの文章から想像しています。
例えば「桜の時に」。
今年3月塩入さんのピアノソロを聴きました。これがアンサンブルになるとどんな感じになるのかな・・。
邦楽を主題にした曲も聴きたいです!
そして松原健之さんの歌う「愛の讃歌」。
どんな愛の世界なんでしょう。
塩入さん〜素敵なレポートをご紹介頂き
ありがとうございました!!
Posted by Marie at 2018年11月16日 21:35
takakoさんの、takakoさんの言葉と表現によるレビューにも酔いしれました。
知っている曲については特にしっかりとイメージできました。
今後聴く機会がある曲については、その時に再度このレビューを開き、感動を反芻したいです。
Posted by 旧姓 藤澤 at 2018年11月17日 06:08
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